ー60歳代シニア社員の活性化ー
高年齢者雇用安定法の改正→希望者全員65歳まで再雇用の義務化
*2013年問題
年金の支給開始年齢引き上げに合わせ高齢者の雇用を確保するため、厚生労働省は、65歳まで希望者全員を再雇用するように企業に義務づける方針を固めた。 2013年度から実施する考えである。
*2013年問題:
2013年から、年金(報酬比例部分)をもらえる年齢が、60歳から65歳へ段階的に引き上げられる。
定額部分の受給引き上げはすでに始まっているので、60歳を迎えた人は「給料も年金ももらえない」状態の人が多く出てくる。
安定再雇用者の増加傾向
背景として、
① 公的年金の65歳支給
② 高まるシニア層の労働意欲
「仕事」については、近年、定年期を過ぎても働き続ける「現役シニア」が増加している。
2009年における雇用者数をみると、60〜64歳は408万人、65〜69歳は197万人, 70歳以上は108万人で、いずれの年齢層も2000年以降、増加傾向にある。
役職定年の前倒し
役職定年者は、それなりに能力を認められ職務を遂行してきた人である。
能力も意欲もある人を、ある年齢で役職からはずし、結果として角(すみ)に追いやる。
片や、そういう人を部下として使う年下の上司も遠慮しがちとなる。
このような状況は、企業にとっても働く人にとっても不自然で、社会的に見ても矛盾に満ちている。
スキルの伝承問題だけでなく、人というかけがえのない資産を大事にするという視点から対応を検討すべき問題である。
シニア社員は、部下もなく責任も軽くなるとはいえ、同じ職場(そうでない場合も多い)にいて、給料が大幅に下がると、やる気をなくし腰掛け仕事に陥りやすい。
また、自らの部下だったり、後輩であった人が、今度は立場が逆転して上司として仕えるようになっても、これまでの習慣からなかなか意識を変えることが難しく、不用意な発言や態度となって、経験の浅い管理職を悩まし、後輩から冷ややかな眼でみられ、煙たがれているケースも少なくない。
新たなキャリアステージの展開という視点から、自分価値と目標の設定を支援し、企業とシニア社員両者のWin-Winの関係の構築を図りたい。
セカンドキャリア研修受講者からの評価
セカンドキャリア研修参加者は、自己の置かれた環境認識への納得感と、期待を受容でき、良い意味での〝開き直り〟につながって、その後のキャリア形成に役立てている。
ビジョンとコンセプト
①ビジョン
セカンドキャリア・プログラムの概要
「定年再雇用」と「定年延長」の比較
定年再雇用制度 | 定年延長 | |
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賃金 | 60歳の定年年齢到達を契機に、これまでの労働契約を解消。 その人の就業意欲や保有する技術・技能、スキルと会社のニーズが合致した場合、新たな労働条件を下に、再度、雇用契約を結ぶことができる。
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*定年前の雇用契約が継続される
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雇用期間 | 雇用期間が1年契約の更新のため、予期されない環境変化 に対し、定年延長と異なり条件の変更が柔軟に行える。 | 段階を追った定年延長でも、最長65歳まで固定される。 |
その他 | 企業側のメリット
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企業側のデメリット
従業員のメリット
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段階的な定年延長の導入 ー問題/課題と対応
「選択定年制度」と「定年再雇用制度」とは
■「選択定年制度」とは:
選択定年制度は、「早期退職優遇制度」、「転進支援制度」など様々な名称が用いられますが、一般的には50歳から57歳くらいまでの間に自主退職する際、退職金を割増支給するという制度を指すことが通常です。
この制度の目的としては、人件費の増大に対する抑制策あるいはポスト不足解消により人事活性化対策としての意味合いがあります。
しかし、それだけでなく中高年齢者の独立自営の希望を援助したり、キャリア選択の一つとして導入されている場合もあり、会社の目的に合わせて規定を作成していくことが重要になります。
■「定年再雇用制度」とは:
いったん定年退職した人を、再び雇用する制度。継続雇用制度の一つ。継続雇用制度には再雇用制度の他に、勤務延長制度があり、退職せずにそのまま勤務延長をすれば「勤務延長制度」、一度、退職してから再び雇用すれば「再雇用制度」が適用される。
再雇用制度では、いったん退職するために退職金を受け取ることができるが、新たに雇用契約を結ぶので労働条件が退職前よりも低水準になる傾向がある。
継続雇用制度は、2006年に高齢者雇用安定法の改正により、高年齢雇用確保措置が取られ、高齢者の雇用確保が義務づけられたことで、導入される制度の一つ。
その他の高齢者雇用確保措置としては、定年の引き上げ、定年の廃止があり、いづれかを導入しなければないない。